自転車のチューブレスってなんぞや

琵琶湖・湖西のスポーツ自転車専門販売店どてるしの店主です。

 

今回は大変にややこしいチューブレスシステムのお話を。

マウンテンバイクをはじめとしたオフロード車にはほぼ標準装備化しているチューブレスレディですが、最近はロードバイクもチューブレス・チューブレスレディが一般化してきました。

 

と、いうのもチューブレス(チューブレスレディも含む)にすることで、適正空気圧が下がるので乗り心地が向上する上に、タイヤ内にチューブが無い事で転がりの抵抗が下がって良く転がり、低圧で走る事によるリム打ちパンクもチューブは入っていないので発生しにくいというメリットが有ります。

オフロード車で空気圧を下げて走るのは当然ですが、ロードバイクも最新のモデルは幅の広いリムに幅の広いタイヤを履かせて、従来よりも低圧で走った方がロスが少なくよく走る上に、乗り心地も良くなって振動からの疲労も軽減出来て、エアロ効果も高いなど…
今までの細くて空気は高圧が正義!という常識はいったい何だったのか?
という時代がやってきました(;・∀・)

 

長くロードバイクに乗って来た方ほど理解に苦しむ現在ですが、23Cのタイヤに空気圧7.5Barで乗って来られた方に、28Cのチューブレスレディタイヤに空気圧4.5Barで乗って頂くと、まず「パンクしてるみたいで気持ち悪い」から走り出して頂き、帰って来られる頃に「振動はほとんど来ないのに速度は明らかに速い」「今まではいったい何だったんだ!」なんて感想を頂きます。

 

高圧で空気を入れていると、パンパンに空気を入れたボールと同じく、路面のちょっとした筋程度でも瞬間的に跳ねて空中に居る時間が増えます

知らないうちに空中で漕いでいるので、抵抗なく軽い漕ぎ味を感じられますが空中で漕いでいるので自転車は前に進まない訳です(;^_^A

空気圧が下がる事で多少の凸凹でもタイヤは路面から離れないので、漕げば漕いだ分加速する上に弾き上げられにくくなり乗り心地も向上します。

 

もちろん下げ過ぎればタイヤの変形が大きくなり過ぎて、漕いだ分前に進まない上に段差でタイヤやホイールを痛める可能性も有ります。

 

そんなにまで空気圧を下げる必要は有りませんが、チューブを入れて細いタイヤで走って来た方は、タイヤを太くしていつもより空気圧を下げてあげる事で大幅に自転車の性能アップが期待できます。

 

 

でもタイヤを太くする・リム幅を広くするには従来のリムブレーキでは太いタイヤやリムを抱えきれないので、現在はディスクブレーキ車ばかりになってきています。

太くて大幅に振動吸収性能を上げたタイヤ・ホイールを、細いクイックレバーで挟み込んで固定するのではなく、太いスルーアクスルでガッチリとネジ止めする事で、車輪の固定部分の剛性を上げて加速性能も向上させて、乗り心地が良くてよく走る自転車ができるという流れな訳です。

 

リムブレーキ車が無くなって行くわけですね… (´;ω;`)

 

 

 

ちょっと脱線してしまいましたが、
ある程度の価格帯以上のホイールを選ぶとチューブレス対応やチューブレスレディ対応という製品が選べるようになります。

従来はクリンチャーというタイヤの中にチューブを入れて、チューブに空気を保持してもらいながら走るものでした。

 

チューブレスというのはその名の通りチューブを入れる事無く、ホイールとタイヤのみで空気を保持して走るシステムの事を言います。

つまりチューブレスタイヤ(非レディ)の内側にはチューブの役割をする層が有る上に、ホイールとタイヤの噛み合う所もしっかり気密できる構造になっているため、チューブ無しで空気を保持する事ができる訳です。

 

ではチューブレスレディとは何かというと、タイヤそのものには空気漏れを止める層を持たせずタイヤを軽量化して、空気漏れはシーラントという液体をタイヤ内に流しておくことで隙間を埋めさせて気密性を確保します。

シーラントもタイプ色々





 

ややこしい話ですが、どちらにもメリットとデメリットがあります(;^_^A

 

ーメリットー

〇チューブレス(非レディ)の場合

・タイヤ内にシーラントが無いため、もしもパンクしてしまった際はチューブを入れてクリンチャー化して復帰したり、内側からパッチを貼って修理をするのが簡単。

・シーラントが入っていないのでタイヤ内部は乾いた状態で作業しやすい。


〇チューブレスレディの場合

・仮に小さな刺さり物などでパンクしてもシーラントが入っているので、内側からシーラントが穴を埋めに行ってくれる。

・タイヤの内側にチューブ層が無いため、ホイールの一番外側に来るタイヤを軽量化する事が出来る。

 

ーデメリットー

〇チューブレス(非レディ)の場合

・現在多くのタイヤメーカーが非レディのチューブレスタイヤの生産を辞めている傾向で、タイヤの選択肢が極端に少ない。
・チューブ層が有るためどうしても重くなる。

・タイヤの内外に傷がつくと空気が漏れてしまう事がある。
穴が見つかれば修理できるものの、わかりにくい場合はシーラントを入れれば塞がるけどチューブ層の重さ+シーラントの重量も加算される。


〇チューブレスレディの場合

・シーラントで塞がり切らない程の穴があいてしまった場合、タイヤ内部からシーラントが噴出してベチョベチョになる。

・その場合穴を塞ぐかチューブを入れるかで復帰できるものの、タイヤ内部はベチョベチョなのでシーラントが全ての作業の妨げになる。

・基本的には常にタイヤ内でシーラントが流れている状態を維持させるため、必要な物は数か月に1回追いシーラントをする必要が有り、タイヤ内で粘性抵抗が発生している状態になる。

 

 

カギになるのはシーラントという訳ですが、シーラントにも粘度が低くて早く仕事をしてくれるものの穴が大きいと塞ぎきれない物や、その逆に粘度が高くて流れが遅いものの多少の穴なら塞ぐことができる物、追いシーラントが不要な乾かない物、そもそも乾かして使う物など、用途や好みによって色々と選択できます。

 

更にはタイヤの性能を向上させたり、パンクしてもなんとか走る事が出来るようになったりするタイヤインサートなど、チューブレスの世界も色々と広がっています。

 

色々と良い所悪い所は有りますが、店主はチューブレス推進派です(`・ω・´)ゞ

あの乗り心地は一回やったらやめられません。

 

シーラントやタイヤの選び方の相談や施工もぜひどてるしにお任せください!

 

 

 

 

 

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